日本心理臨床学会第40回大会 職能委員会企画シンポジウム  記録データ

日本心理臨床学会第40回大会 職能委員会企画シンポジウム

2021/9/3(金)~26(日)に行われました第40回大会「学会企画シンポジウム」の記録データを掲載しております。
※「概要・出演者等」、「内容」は、プログラム/論文集に掲載したものです。内容、出演者等、変更になっている場合もあります。

記録データ
概要・出演者等

職能委員会企画シンポジウム

心理臨床の独自性と専門性 -心理臨床家の職能(業)発達の深化を通して考える-
2021/9/3(金)~26(日) Web大会

 司会者: 乾 吉佑(専修大学名誉教授/多摩心理臨床研究室)
  杉江 征(筑波大学)
 話題提供者:岩倉 拓(あざみ野心理オフィス)
杉原 保史(京都大学)
松下 智子(九州大学)
 指定討論者:江口 昌克(静岡大学)
 山中 淑江(立教大学)

内容

職能委員会では4年前から、心理臨床家の職能の基盤となる課題をまとめ会員と共に検討したいと考えてきた。そして、本会の基盤である「心理臨床学とは」の大テーマを傍らに置きながら、継続テーマを「心理臨床の独自性と専門性について」とし、具体的な課題は、「他職種と協働するときの心理臨床家ならではの役割や独自性は何か、その実践のためにどんな学び」をしてきたか。協働する際の困難や工夫など」から理解・分析してゆくこととした。
これまで36回・37回・38回の大会シンポを通して、以下の諸点が認められた。長年積み上げて構造化された臨床現場(主に第36回大会で取り上げた精神科・大学学生相談・司法警察の各領域)では、共有された心理臨床の独自性や専門性が見出された。それは「心理査定や心理面接、観察を通して」、個人のこころに依拠した独自の視点を持ち、問題行為への「意味の理解」や「関係性」を専門的観点から「見立て」「アセスメント」する姿勢が保持されていること。その視点をもとにクライエントや関係者、他職種に働きかけるあり方であった。
一方、新しく職場に参入又は一般職として入職して、その中で心理臨床家としての独自性
を発揮していった(第37回・38回大会で取り上げた産業・私設開設・福祉の各領域)場合には、同上に示した「意味の理解」や「関係性の視点」から捉えた「見立て」や「アセスメント」を、その臨床現場に見合った支援に繋げる提案を行い、その現場での新たな専門性を確立する姿勢が認められた。
以上から、今年度の40回大会シンポを企画した委員会は、心理臨床の独自性や専門性は、大学院教育及び研修過程を通して、第36回シンポで示された「一貫したかつ共通した認識」が、我々心理臨床家に共有されているとの理解を描けるのではないか。また卒後、臨床の対象や場の特性、あるいは歴史性に触れるに連れ、つまり職業的発達や臨床的経験を通して、その共有した理解は新たな心理臨床の独自性とその現場での専門性を深化させているのではないかと考えた。
このまとめをもとに、3名の世代の異なる演者から、心理臨床家として職業的発達と臨床的経験を通して、どう独自性と専門性が変化発展してきたかの変遷について話題提供いただき、委員会からの2名の指定討論を加えてフロアーと討論したい。

※プログラム/論文集に掲載したものです。内容、出演者等、変更になっている場合もあります。

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